▽麻しん (はしか) について
(滋賀県ホームページより 2023年5月16日)
近年、海外旅行から帰国して麻しん (はしか) を発症した方を発端とした集団感染が発生しています。現在、日本では麻しんの排除状態 (※1) にあるとされていますが、海外からウイルスが持ち込まれる場合もあり、今まで麻しんにかかったことがない方や、予防接種を受けていない方は特に注意が必要です。
麻しんとは、麻しんウイルスによっておこる発疹性感染症です。潜伏期間は10日~12日で、主な症状として発熱、発疹、カタル症状 (※2) が認められます。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
麻しんの初期症状は、発熱と咳、咽頭痛、鼻水、眼球結膜の充血、目やに等のカタル症状です。これらの症状が数日続いたあと、一旦下がるかの様に見えた発熱が一気に高熱となり発疹が出始めます。この頃に口の中を確認すると、白い粘膜疹 (コプリック斑) が現れています。
麻しんは感染力が強く、症状が治まった後でも人にうつす可能性があります。そのため、学校保健安全法では、解熱したあと3日を経過するまで出席停止とされています。
(※1)麻しんの排除状態:適切なサーベイランス制度の下、日本に土着するウイルスによる麻しんの感染が三年間確認されない状態のこと。平成27年3月27日、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。
(※2)カタルとは、感染症の結果生じる粘膜腫脹と、粘液と白血球からなる濃い滲出液を伴う病態のこと。カタルは通常、風邪、胸部疾患による咳に関連して認められるが、アデノイド、中耳、副鼻腔、扁桃、気管支、胃、大腸に出現することもある。カタル性滲出液は排出されることもあるが、狭窄とともに管腔を閉塞させたり、慢性化したりすることもある。 (Wikipediaより)
◇滋賀県ホームページ (麻しん (はしか) について) はこちら>
◇厚生労働省ホームページ (麻しんについて) はこちら>
▽令和6年2月24日に関空着国際便の麻しん (はしか) 発生に関する滋賀県内の状況について
(令和6年3月11日時点 滋賀県ホームページより)
麻しん (はしか) については、令和6年3月時点で海外の多くの地域で流行が報告されており、また国内においても、海外からの輸入症例を契機とした国内における感染伝播事例が報告されています。
滋賀県内では令和6年2月24日に関空着エディハト航空 (EY830便) に搭乗していた方が、令和6年3月11日時点で1名陽性が確認されました。管轄保健所による疫学調査の結果、現時点では不特定多数への感染拡大のおそれは低いと判断されています。
海外での流行状況を考えると、今後も同様の海外輸入症例との接触や海外旅行の際に感染する恐れがあるため、予防接種の検討をお願いいたします。
▽もしも理容師が麻しん (はしか) に感染したら (感染が疑われる場合も含まれる)
麻しん (はしか) は五類感染症であることから、理容師法上は、営業停止とはならないが、感染症法上は、麻しんの感染力が非常に強いことから、外出や人との接触の自粛を強く要請することになる。
感染またはその疑いがある場合、外出や人との接触を避けることを強く要請されることから、結果的に営業を自粛することになる。
解熱したあと (麻しんの症状のひとつとして発熱がある) 3日が経過するまで外出を控える必要がある=発熱症状が治まっても感染力が続くということで、この間も営業を自粛することになる。
これらは要請であることから違反しても罰則はない。
大津市保健所 衛生課からの回答
▽麻しん (はしか) の予防について
(滋賀県ホームページより)
麻しん (はしか) は、インフルエンザより感染性が高いといわれており、空気感染が主な感染経路となります。次のことに注意しましょう。
・出来るだけ人ごみを避けましょう。
・急な全身性発疹や発熱などの症状が出たら、早めに医療機関を受診しましょう。
・医療機関受診の際は、受診前に電話等で麻しんの疑いがあることを伝えてください。
・受診の際は公共交通機関の利用は避けてください。
・予防接種が最も有効な予防方法です。麻しんの定期予防接種では2回の接種が必要です。
【 生年月日別に麻しんワクチンの接種歴の目安とすることができます 】
就学前の子供 |
MRワクチン (はしか・風疹を予防) 定期接種 公費で2回 |
1972年 (昭和47年) 9月30日生まれまで |
定期接種なし 1度も接種していない可能性 |
2000年 (平成12年) 4月1日生まれまで |
定期接種1回のみ 免疫が十分でない可能性 |
免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。そのため、過去に確実に麻しん (はしか) にり患した場合は、免疫を持っているため予防接種の必要はありません。ただし、本当に麻しんだったかどうかは抗体価を調べないと分かりません。抗体価をみる検査には数千円程度の自己負担が生じます。
医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、麻しんにかかるリスクが高い方や麻しんにかかることで周りへの影響が大きい場合や、流行国に渡航するような場合で、麻しんにかかったことがない場合は、予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。なお、定期接種ではない予防接種の費用は自己負担となります。